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第44話 東国光也という男(1)

ผู้เขียน: 酔夫人
last update วันที่เผยแพร่: 2026-05-30 11:01:35

「お父様……?」

突然の父親の登場に、実花は呆然と目を見開いた。

店の入口に立つ父親は、明らかに様子がおかしい。

いつもなら髪の乱れひとつ許さず、姿勢も隙なく整っている人だ。

スーツの皺でさえ滅多に見たことがないほど、藤宮家の当主として常に完璧であることを自分に強いているでさえあった。

それなのに今の父親はネクタイがわずかに曲がり、前髪も乱れ、呼吸まで荒い。

どう見ても『慌てている』であり、ここまで慌てた父親を実花は見たことがなかった。

「ど、どうしたのですか?」

驚き過ぎて、思ったことをそのまま問いかけてしまった。

だが父親は答えなかった。

実花に長く止まった視線は光也に、そして航へ、そしてなぜかまた光也へと戻る。

いま光也を見る父親の目には純然たる怒りと、明確な敵意が籠っている。

「お前がかどわされたと聞いてな」

視線は光也に向いたまま、言葉は実花に向いていた。

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